ナガオカケンメイの話を聞きに九州大学へ行ってきた

「ナガオカケンメイの考え」(通称:白ケンメイ)を読んで以来、ちょこちょこチェックしてるナガオカケンメイの話が聞けるってことで、九州大学の箱崎千年会議というイベントに行ってきた。

箱崎千年会議のパンフレット

久しぶりに訪れた九大は、かつてのにぎわいが嘘のように閑散としてて、なんだかセンチメンタルな気分に。

空っぽになりつつある九大、そして箱崎地区のことを思いながら、『ロングライフデザイン』を考える、というのが今回のナガオカさんの話のテーマ。ということで、話を聞いて気になった言葉なんかをまとめておく。

ハンバーグの中にニンジンを混ぜて食べさせる、という考え方

先月創刊したばかりの「d design travel」という雑誌の話。

『デザインを感じる旅をしよう』をテーマにして作った、この「d design travel」。実は以前の失敗を踏まえて作りかえたもの。

前身となる雑誌「d long life design」は、僕も実際読んだことがあって、デザインに関する読み物が充実していて、とてもいい雑誌だった。

コンセプトは『いいデザインを考えて生活しよう』。しかし、残念ながら売れなかった。結局、休刊することになったんだけど、そこで諦めないのがナガオカさんのすごいところ。

まず、売れなかった原因を考えた。

ふつうの人は生活しながらデザインのことなんて考えない。だから、みんなが好きな「旅行」をテーマにしよう。そして、その旅行先でデザインに触れてもらう提案をしよう。

これが冒頭の「ハンバーグの中にニンジンを混ぜて食べさせる」という考え方。「ニンジンの嫌いな子供に、ニンジンを無理に食べさせる」のではなく、食べてもらえるような方法を考え実践する。

世間を批判するのでもなく、自分の考えを曲げるのでもなく、その伝え方を工夫していくナガオカさんのスタンス。グチりそうになったとき、時々思い出そうと思います。

いいデザインの10箇条

ナガオカさんの考える、いいデザインの10箇条をまずは箇条書きに。

  1. 修理
    修理をして使い続けられる体制や方法があること
  2. 価格
    作り手の継続していく経済状態を生み続ける適正な価格であること
  3. 販売
    売り場に作り手の思いを伝える強い意志があること
  4. 作る
    作り手に「ものづくり」への愛があること
  5. 機能
    使いやすいこと。機能的であること
  6. 安全
    危険な要素がないこと。安全であること
  7. 環境
    いつの時代の環境にも配慮があること
  8. 計画生産
    あくまで計画された生産数であること。予測ができていること
  9. 使い手
    使う側が、その商品にまつわる商品以外に関係が継続する仕組みがあること
  10. デザイン
    美しいこと

いいデザインの10個目にやっと「美しいこと」という要素が出てくるっていうのもナガオカさんらしくて好きなんだけど、最近まちづくりに興味がある僕にとっては、これを「いい街の10箇条」にそのまま書き換えられることが一番の驚きだった。

最後にその置換えをして締めます。

いい街の10箇条

  1. 修復
    修復して使い続けられる体制や方法があること
  2. 物価
    住民が住み続けるのに適正な物価であること
  3. PR
    行政や住民に街の良さを伝える強い意志があること
  4. 作る
    行政に「まちづくり」への愛があること
  5. 機能
    住みやすいこと。機能的であること
  6. 安全
    危険な要素がないこと。安全であること
  7. 環境
    いつの時代の環境にも配慮があること
  8. 計画整備
    あくまで計画された整備(建設・人口)であること。予測ができていること
  9. 住み手
    住む側が、その住まい以外に関係が継続する仕組みがあること
  10. デザイン
    美しいこと

福岡はこのうち何個を満たしているか、徐々に考えて行こうかな。

あ、そうそうナガオカさんは、来年2010年2月に放送される「ようこそ先輩」に出演予定だとか。高校生にデザインを教える課外授業をしてきたそうなので、忘れずにチェックしようと思います。